宮大工のよもやま話ホーム > 手仕事の道具たち > 第1回 鑿(のみ)
鑿が生み出す「木組み」の知恵
日本の伝統建築物は、木と木を繋ぎ合わせていく「木組み」で出来上がっています。 その木組みの方法は木と木を同じ方向に繋げる「継手(つぎて)」、交わるように繋げる「組手(くみて)」、柱や梁、土台のL字部など方向の異なる部材を接合する「仕口(しぐち)」などと呼ばれていて、その種類は実に100 種類以上もあると言われています。
こういった部分の加工に使われるのがノミ。 ノミにはその目的によってたくさんの種類があるのですが、ここで使われるのは、主に「叩きノミ」や「突きノミ」。文字通り「叩きノミ」は柄の先端部にカツラと呼ばれる金属がついており、ここをげんのうで叩いて木の細工を行います。「 突きノミ」は柄の部分が長く、こちらは両手で握り、突きながら切削を行います。 その他には、仕上げに使われる「さらいノミ」や「薄ノミ」と呼ばれるノミもあります。
木組みを生み出すノミという道具。それは大工にとって最も使用頻度が高く、大事な手仕事の道具であると言えます。
実際に使っているところを動画で見てみましょう
継手(鎌継ぎ)
中叩きノミ
■ 叩きノミ
■ 中叩きノミ
■大突きノミ